「防水」のレベルって? 防水時計の基礎知識・分類・注意点について
時計をご購入される際、選ぶ目安のひとつとして「防水」機能についてのご確認をされることがあるかと思います。
製品仕様の防水の項を見てみると、それぞれ時計には「日常生活用防水」であるものや、「5気圧防水」や「10気圧防水」、「200m防水」はたまた「1000m防水」など数字でそのレベルを表していることが確認できます。
しかし、それらは一体どのようなレベルの防水性能なのかということを知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本項ではそんな「防水時計」の基礎知識やその分類、注意点についてのご紹介をさせていただきます。
⑴防水時計の基礎知識
時計の種類によっても構造は異なりますが、防水時計は一般的に、ガラス・裏ぶた・りゅうずなどにパッキンが組み込まれ、水の侵入から内部の機器を守っています。その性能の限界値を示すものが「防水性能」についての表示です。
性能を超える使い方をすれば時計内部に水が侵食し、針や文字盤の腐食だけでなく、ムーブメントにも大きなダメージを与えかねません。また、防水時計だからといっても、使用方法によってはパッキンを劣化させる場合もありますのでもちろん注意は必要です。
⑵防水時計の分類
愛用の時計に防水トラブルが発生しないよう、まずは防水時計の分類について確認していきましょう。
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日常生活用防水<3気圧防水>(ケース表記例:WATER RESISTANT/W.R.)
日常生活で予想される「水がかかる」場合に対しての防水が有効です。具体的には、小雨の中で傘をさしたり、汗をかく・洗顔の際に少しぬれる程度に対応しています。
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日常生活用強化防水<5気圧防水>(ケース表記例:WATER RESISTANT 5BAR/ W.R.5BAR)
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日常生活用強化防水<10気圧防水>・<20気圧防水>
(ケース表記例:WATER RESISTANT 10(20)BAR/W.R.10(20)BAR)
5気圧防水の性能に加え、空気ボンベを使用しない潜水(素潜り(スキンダイビング)など)での使用が可能です。お使いいただけます。そうした分類では10気圧・20気圧防水は同分類にされますが、比べてみるとやはり20気圧防水の方が安心です。
さて、ここで「防水時計」には大きく分けて2種類あることをご存知でしょうか。
上記3点はあくまで「日常生活」という名称がつく「防水」時計についての分類でしたが、ここからはJIS規格によって「潜水時計」と認められた時計の防水性能をご紹介いたします。
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空気(スキューバ)潜水用防水<100m防水>・<200m防水>
(ケース表記例:AIR DIVERS 100(200)m )
表示されている水深までの耐圧性と、長時間の水中使用に耐える防水性を備えているため、空気ボンベを使用する潜水(スキューバダイビングなど)に使用できる時計です。しかし、飽和潜水用に使用することはできません。
表示されている水深までの潜水に耐える防水性を備えています。
ヘリウムガス・エスケープバルブ等を装備することで、飽和潜水用(深海で潜水する際)に耐えることが出来る時計です。
以上が防水性能についての分類となります。時計を選ぶ際、どうしてもサイズ感やデザインが重視されることが多いのですが、ご自身の生活スタイルやご用途に合わせて防水機能のチェックをされることで、時計をより長く使っていただけることにつながっていくのです。
⑶注意点について
最後に防水時計についてのまとめとして、以下注意点をご紹介させていただきます。
・防水時計のパッキンは有機溶剤や化学薬品はもちろん、石鹸やシャンプーの過度な使用、温泉に含まれる成分にも注意が必要です。入浴時には時計を外されることをお勧めいたします。
・洗車器など強い水圧に時計が直接当たらないように注意してください。
・時計はぬれた状態のままにしておくのは避け、腕から外し、クロスや乾いた布なので水気を吸い取るようにお拭き取りください。
・ダイバーズ等の時計を海で使用された場合は、塩分や砂、そのほか雑菌等が付着している可能性があります。真水に時計を浸して全体の汚れをよく洗い落とし、水気を拭き取って乾燥させてください。
・パッキンの寿命は使用条件やお手入れ方法などにより異なりますが、電池交換や分解掃除の際に点検・交換のご依頼をされることをお勧めいたします。
・時計のガラス面に長時間くもりが発生する場合はご相談ください。
時計は精密機器ですので、些細なことで不具合が起きてしまう場合がございます。
お困りのことがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。